大阪府東大阪市のピザ釜のある平屋の古民家再生(2019年)
石切のとある谷筋にある小さな平屋の古民家を再生
東大阪市石切の生駒山の中腹にある、古民家の改修工事をさせていただきました。写真をみるとここが東大阪のような気が全くしません。
工事前の写真の様子。トタンの外壁にネットフェンスのよくある感じの外装です。ここで快適に時間をすごせるようにして欲しいということでご相談を受けました。
外壁はブリキを外して、焼杉に変更。ネットフェンスも撤去して板塀に。柱はアルミ角柱ですので腐ることはありません。定番中の定番です。
古建具の引き戸を再利用する。ドアよりもやっぱり和モダンなアンティークに!
内部は窓を全てペアガラスでアルミ樹脂の複合サッシに入れ替えています。2間あった部屋を改装して大きな一室空間に間取り変更しました。既存の引き戸の古建具は修理して再利用しています。古民家再生される方は、アンティークなものやレトロなものを好まれる方が多いのですが、よく建築雑誌などでみえる外国のアンティークドアなんかよりやっぱり引き戸の古建具が古民家にはあいますね!
工事前の写真です。細かく間仕切られていました。小さいお家だけど広く暮らせるようにいろいろと間取りを工夫しています。
同じところから撮った写真。引き戸の木製建具は再利用。床組をやりかえたので、床を少し低い位置に設定しなおして内法(うちのり)といわれる建具の開口部を少し広げました(173cm→180cm)。壁は土壁の塗ってくれいで左官仕上げです。天井はシナベニヤでコストダウン。床、壁、天井といった大きな面が新しくなったのですが、古建具のレトロな感じが、洋風になりすぎない、すっきりとした明るい感じの和モダンに仕上げてくれています。
工事中の写真。床を全てめくって傷んだところの補強や間取り変更をしています。床下の通気も取れるように改修しています。
木製の古建具の再利用は古民家再生のときによく使う方法です。新しく作るよりも、コストも抑えられます。例えばガラス障子に使われている木材は節なしのいい材料ですし、角丸枠も一手間です。新しくつくると10万円近くすると思いますが、このようなお手持ち品の再生ですとぐっと値段も抑えられますし、民家の雰囲気も損ないません。
他の場所からも持ってきた古建具も片引き戸にしたりすることもできます。このように柱に戸あたりをつけて新しく敷鴨居をいれてやればOKです!
戸当たりを柱にとりつけるとこんな感じになります。新材なのでオイルステインやベンガラや柿渋などで色をつけてアンティークな感じになるようにまとめます。
作り付けソファーとミニキッチン。ソファーセットは無印良品。ダイニングセットよりは低く、ソファよりは高いものがにあることをお教えしました。この高さのものを選ぶことで、ダイニングテーブルよりもゆったりとすわれる高さですので、ソファセットをふたつ持つ必要がなくなり部屋が広く使えます。
上のソファーセットのある場所の工事前の写真です。後ろの押入れ部分が作り付けソファーになりました。またガラス建具は別の場所で使われています。
作り付けソファーは背もたれを外してやるとベッドにもなる大きさです。
古民家再生で新しい材だらけになる時は、ある意味、古建具が古民家であったことを最も主張してくれるのかもしれません。
外にはご主人がつくられたピザ釜がもともとありました。雨の日などにもピザパーティなどができるようにということで薪小屋と合わせて簡単な屋根を掛けさせてもらいました。
生駒山の中腹にある谷筋のお家なので、木はいっぱいあります。ウッドデッキもつくらせていただいたので大阪平野を見下ろしながらピザやパンを召し上がっていただけます。板塀は山からイノシシが降りてきて畑を荒らすのを防ぐ目的もあります。
粉ものをこねるステンレス台なども雨に濡れずに作業できます。
建築地 | 大阪府東大阪市 | 屋根 | 瓦 |
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竣工年 | 2019年 | 外壁 | 焼杉板 |
内壁 | 塗ってくれい | 床 | 杉 |
構造規模 | 木造平屋建 | ||
その他 | 窓を全て木製建具からアルプラ複合サッシに入れ替え。設計:輝建設設計部 |