大阪府高槻市のOMソーラーをつかった古民家再生
2世帯で住めるように2つの家を古民家再生。OMソーラー工事も
こちらの古民家は手前のまさに古民家というお家と奥の昭和期に増築された部分を同時に再生工事したものです。どちらの家にもOMソーラーと呼ばれる太陽熱を利用した空気集熱式床暖房を設置しました。ともに数十年ぶりの大規模改修となったので屋根も全て葺き替えています。
写真は工事前。こちらは今でも田んぼなどをされている兼業農家さんで、手前の黒い屋根はいわゆる通り土間と田の字4間ある昔ながらの民家です。黒い板金のしたは茅が残っていました。
昔、工務店の勉強会で茅葺に屋根をかける仕事は昭和30年代のことで東方地方から始まって南下したという話を聞いたことがあります。当社の古民家モデルハウス石切ヴィレッジも、このような板金屋根です。
火事対策として昭和40年代ぐらいに鉄板葺になったというお話があります。さらに余談ですが、このような板金屋根専門の塗装屋さんが昔はいたそうです。足場も無しに2日で塗装してしまったそうです。数年に一度、そろそろどうですかというような電話があったようですが、いまはもう高齢化で電話ないねえというようなお話を古民家に住むお客さん何組かから聞いたことがあります。何を塗っていたかは定かではありません。いまの時代では足場無しでそんな作業は塗装業者さんが引き受けてくれないと思います。
玄関ホール。玄関のアルミサッシュの引き違い戸と鉄平石張りの土間は再利用。
正面にある襖の入った棚ももともとここにあったものを再利用しています。玄関土間からの高さを改修してバリアフリーにするために敷台は古民家再生で定番となります。
工事前の玄関の様子。玄関に限らず、ほぼ全ての部屋で天井が貼られていて、既存の根太天井が隠されている。
床の間のある和室以外は椅子生活に合わせて板の間に。手前の大きな床点検口のようなものは掘りごたつが仕込まれています。簾戸は調整の上、再利用。壁はホタテ漆喰にて。白い漆喰壁は軒深くて暗くなりがちな古民家を室内を明るく見せてくれます。天井板を撤去して根太天井表しとした。古民家再生のお施主さんはこちらのように既存の天井を撤去して、根太天井表しにされる方がほとんどです。
床下の材料はほとんど腐ったり、蟻害などで傷んでいたり、過去の入れ替え工事でしっかりと取り付けられていなかったので、ほぼ入れ替え。合わせてOMソーラーの蓄熱層を兼ねたベタ基礎を打設しました。チェーンブロックや仮筋交いで倒れないようにしながらの工事です。
縁側を臨む。前栽がきれいにみえる。もともとは4枚建ての木製建具を入れ替えたペアガラスのサッシュは2枚建てにして建具の縦の枠(縦框・たてがまち)を減らす。
工事前の様子。ガラス障子は再生後も再利用。
和室。竿縁天井は新しくやりかえた。そのほかの部屋は天井は撤去して、2Fの床を表し天井としています。
広縁。3/4間ある広縁。添え柱をして構造を補強。
台所。テルキッチン。ヒノキ集成材の面材を使っている。
構造用合板による内装でコストを抑えた。小屋裏のOMソーラーの機械室。
昭和の増築部分のリノベーションはOMと薪ストーブ
こちらは昭和の建物で大きな柱や梁などがなかったので、大壁のリノベーションとなっています。
高度成長期にはやった内装。タイル張りの応接間にトラバーチンの天井にシャンデリア。
こちらもテルキッチン。ヒノキの集成材とドイツ製のキッチン金物です。ガスオーブン、食洗機。テルキッチンはシンク下は湿気溜まりにならないように建具をつけずにオープンが基本です(ご希望で建具等をつけることも可能です)。
リビングからキッチン方向をみる。キッチンのカウンターは大工造作で作っています。ひろびろと大きな一室空間になりました。
階段はオープンなものに。勾配が急だったので掛け替えて登りやすい角度に変更しています。
トップライト下の階段はライトウェル(光の井戸)となって1階に光を落とします。
2階は個室が並んでいます。各部屋にロフトが備え付けられています。
ロフトの上からでも大きく育った庭木がみえます。ロフトの建具の後ろにOMソーラーの機械室になっています。
所在地 | 大阪府高槻市 築100年(民家) 築50年(既存増築部) | リノベ竣工年 | 2013年 |
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床 | 杉フローリング、畳入れ替え | 内壁 | ホタテ漆喰(民家) オガファーザー(既存増築部) |
その他 | 古民家と増築部にまたがる2世帯用の古民家再生リノベーション。OMソーラーを導入。 窓はベアガラス断熱サッシュに入れ替え。設計:輝建設設計部 |