土壁(塗り壁)のリフォームは中塗り仕上げがおすすめ

本記事では、土壁リフォームにおける「中塗り仕上げ」の魅力と可能性を、基本から実例、将来の可能性まで網羅的に解説しました。中塗り仕上げは、漆喰などの上塗りという一般的な最終工程を行わずに仕上げるという、シンプルでありながら奥深い施工方法です。
その最大の特徴は、素材の風合いをそのまま活かした「自然な美しさ」にあります。また、工程が少なくなることでコストを抑えやすく、DIYでも挑戦しやすいという、実用面でのメリットも大きな魅力です。
古民家再生や和モダンリフォームだけでなく、新築住宅や商業施設でも採用されたりと再注目されている中塗り仕上げ。石膏ボードの上から施工できる柔軟性もあり、伝統と現代のデザインを橋渡しできる建材として注目されています。
実際に住まい手さんの声も、「空気が柔らかくなったような気がする」「自然に囲まれているような落ち着きがある」といった感想が多く、中塗り仕上げが生み出す住まいの快適さが高く評価されていることが分かります。
さらに、これからの住まいづくりにおいて重要視される「健康」「サステナビリティ」「素材感」といった価値観にも、中塗り仕上げはしっかりと応えてくれる選択肢です。
これからリフォームや新築を検討される方は、ぜひ「壁の表情」に注目してみてください。無機質なクロスや均一な仕上げでは味わえない、暮らしに寄り添うあたたかみと、時を重ねて深まる魅力が、中塗り仕上げにはあります。
「壁にも個性を」——これは、素材と丁寧に向き合った人だけが得られる贅沢です。中塗り仕上げという選択が、あなたの住まいと人生を、より豊かにしてくれることを願っています。
まとめ
- 中塗り仕上げは、素材本来の風合いを活かしながらコスト削減と施工の簡略化ができる実用的なリフォーム手法である。
- 土壁の調湿・断熱性を維持しつつ、味わいある見た目と居心地の良さを同時に実現できる。
- 古民家だけでなく新築や石膏ボードにも施工が可能で、幅広いデザインにマッチする。
- DIYにも挑戦しやすいため、自然素材の壁を自らの手で仕上げたい人にとって理想的な選択肢となる。
- 健康・サステナビリティ・空間美を重視する現代の住まいづくりにおいて、「中塗り仕上げ」は有効。
1. 中塗り仕上げの魅力とは
1-1. 中塗り仕上げとは何か?その基本的な定義
中塗り仕上げとは、塗り壁工事における「下塗り・中塗り・上塗り」という工程の中で、中間層となる「中塗り」で仕上げを完了とする手法です。これは、通常の最終工程である上塗りをあえて省略し、中塗り層で表面を整えつつ、自然な質感をそのまま残すことで独特の美しさを演出します。
一般的な塗り壁仕上げが「均一で滑らか」を追求するのに対し、中塗り仕上げは「粗さ」や「素材のムラ」こそを味わいと捉えます。これが、近年再評価されている理由の一つです。
また、昔の民家や農家ではコストや時間の都合から、上塗りを行わず中塗りで仕上げることが多かった背景があります。そうした文化的背景を受け継ぎながら、現代の住まいにも活かされているのが中塗り仕上げです。仕上がりとしては、表面にわずかな凹凸が残るため、光の当たり方や時間帯によって表情が変化します。これは塗り壁ならではの「動きのある美しさ」とも言えます。
現在では、古民家の再生住宅だけでなく、自然素材を活かした住宅やカフェの内装などでも人気が高まり、年々、人気を取り戻しています。中塗り仕上げは、「素材を魅せる」「空間に味を加える」「コストを抑える」という三拍子が揃った、現代にも通用するシンプルかつ奥深い仕上げ技法です。
1-2. 一般的な仕上げと中塗り仕上げの違い
一般的な塗り壁の仕上げでは、漆喰や聚楽などと言われるような「上塗り」によって表面を滑らかに整え、均質で美しい見た目を実現します。模様付けや着色も施され、空間演出としての完成度が求められるのが一般的な仕上げです。
一方で中塗り仕上げは、「素材そのものの質感」を表に出すことを重視し、あえて上塗りを行わず、土の風合いや職人の手仕事の跡をそのまま活かします。
この違いは見た目に顕著で、中塗り仕上げにはわずかな凹凸や色ムラが残り、それが「味」として壁に表情を与えます。人工的な均一さではなく、自然な揺らぎを持つ壁として、独特の存在感があります。
また、施工コストの面でも大きな違いがあります。中塗り仕上げでは上塗りの材料費・人件費が不要になるため、おおよそ15〜25%程度のコストダウンが見込めるのが一般的です。さらに、工程が一つ減ることで工期の短縮にもつながります。
中塗り仕上げは「ラフで味のある仕上がり」を好む方に適しており、完璧さよりも「素材の良さ」や「手の温もり」を感じたい方には非常におすすめの選択肢と言えるでしょう。
1-3. 中塗り仕上げが持つ自然な風合いの美しさ
中塗り仕上げの最大の魅力は、何といっても「自然な風合い」にあります。上塗りで表面を整える代わりに、土本来の色味や質感がそのまま表れるため、壁そのものが生きているかのような表情を持つ仕上がりになります。
例えば、表面に残るわずかな凹凸や塗り跡が、光の当たり方によって陰影を作り出します。時間帯や季節によって見え方が変化し、住まいに「動き」や「温かみ」が生まれるのです。
特に自然光が差し込む空間では、中塗りの風合いが際立ち、空気全体がやさしく包まれるような雰囲気を演出します。間接照明との相性も抜群で、夜にはまた違った落ち着いた表情を楽しむことができます。
使用する土の種類によっても印象は大きく変わります。赤土、黄土、黒土など、自然由来の素材によって空間に個性を与えることができるのも、中塗りならではの楽しみです。
仕上がりは「完全に計算できない」からこそ、唯一無二の壁が生まれます。これは、工業製品では決して出せない中塗り仕上げだけの魅力であり、「暮らしに個性と深みを与えたい」と願う方に最適な選択です。
1-4. 中塗りならではのコストパフォーマンス
中塗り仕上げは、見た目だけでなくコスト面でも大きな魅力を持つ工法です。漆喰や聚楽壁なdの上塗り工程を省略することで、材料費・人件費ともに削減が可能となり、全体のリフォーム費用を大幅に抑えることができます。
具体的には、施工内容にもよりますが、上塗りの仕上げ作業をしたときに比べて15〜25%のコスト削減が実現できるケースもあります。これは小規模な改修だけでなく、大規模なリフォームにおいても大きな差となって現れます。
また、上塗りを行わないことで工期も短縮されます。特に住みながらのリフォームを考えている場合には、工期の短縮が生活への負担軽減にもつながり、実用面でも非常に有利です。
さらに、中塗り仕上げは職人の高度な左官技術が必要な上塗りに比べて、ある程度ラフな仕上がりでも成立するため、DIYとして挑戦しやすいのも魅力の一つです。セルフビルドを考えている方や、初めて塗り壁に挑戦する方にも向いているため、手軽さと満足感の両立ができる中塗り仕上げは、非常にコストパフォーマンスに優れた選択と言えるでしょう。
1-5. 土壁リフォームに最適な理由とは?
中塗り仕上げは、土壁リフォームにおいて非常に理にかなった仕上げ方法です。その理由の一つが、既存の土壁の下地を活かして施工できるという点にあります。
大掛かりな解体や補修を必要とせず、手をかけすぎずに壁を甦らせることができるため、コスト・時間・仕上がりすべてにおいてバランスの取れた方法といえます。
また、古民家や築年数の経った住宅に残る土壁特有の「味わい」を損なわずに再生できるのも大きな魅力です。中塗り仕上げであれば、経年変化やムラも「個性」として活かすことができるため、伝統の美しさを現代の暮らしに取り入れることができます。
さらに、土壁の持つ調湿性能や断熱性をそのまま活かせるため、機能面においても非常に優れた再生方法です。カビや結露を防ぎ、自然な室内環境を保つことができます。
土壁の持つ本来の力を引き出しつつ、現代の住まいに溶け込ませることができるのが、中塗り仕上げの真骨頂です。結果として、美しさ・コスト・快適性を兼ね備えたリフォーム方法として、多くの建築士や職人にも選ばれています。
2. 中塗り仕上げの施工ポイント
2-1. リフォーム時に中塗りを選ぶ際の注意点
中塗り仕上げを土壁リフォームに採用する際には、いくつか押さえておくべきポイントがあります。特に重要なのは、既存の壁の状態を正確に確認することです。
ひび割れや剥がれ、下地の劣化が進んでいる場合は、中塗り材を塗る前に適切な補修作業が必要となります。これを怠ると、せっかくの中塗り仕上げが早期に劣化してしまうリスクがあります。
次に重要なのが使用する「土」の種類の選定です。中塗りで仕上げる場合、その土の質感や色味がそのまま表面に出るため、素材選びが仕上がりの印象を大きく左右します。また、気候条件にも注意が必要です。特に梅雨時期や真冬など、湿度が高かったり気温が低すぎると、乾燥に時間がかかり、ムラやひび割れの原因になることがあります。施工は適した時期を選ぶことが成功のカギです。
さらに、施工中の埃や匂いが気になる場合もあるため、住みながら施工する場合は養生や換気対策も重要になります。ペットや小さなお子さまがいる家庭では、事前の配慮が欠かせません。
最後に、中塗り仕上げはラフな風合いを楽しむ仕上げではありますが、すべての壁に適しているわけではありません。用途や部屋の雰囲気に応じて、中塗りと上塗りを使い分ける判断も大切です。特に外壁などで用いる場合は雨のかからない場所に限定した方がよいです。中塗り壁は泥団子のと同じようなものなので常時、雨がかかると崩れていきます。
2-2. 施工の手順と必要な道具・材料
中塗り仕上げの施工は、下準備から仕上げまでの手順を正しく踏むことが非常に重要です。
基本的な流れは、①下地の確認・補修 → ②下塗り → ③中塗り → ④養生・乾燥という順番になります。
まずは下地の状態をしっかりとチェックし、ひびや浮きがある場合は補修を行います。この工程を丁寧に行うことで、仕上がりの質と耐久性が大きく変わります。
次に必要となるのが、使用する道具の準備です。基本的には以下のようなものが必要です:
・左官コテ(仕上げ用と塗り付け用)
・コテ板
・バケツ、スコップ、撹拌器(材料の混ぜ合わせに使用)
・霧吹きや刷毛(乾燥調整用)
・養生テープ、マスカー(施工範囲の保護に)
これらの道具は、プロ仕様でなくてもホームセンターで揃うもので十分対応可能です。
使用する材料は、荒木田土や藁すさ、砂などを混ぜた中塗り用の土が基本です。初心者でも扱いやすい既製品の中塗り材、いわゆる「泥コン」は混ぜる手間が省ける分、施工がスムーズになります。
しかし、「泥コン」は土壁は昔ほど採用されなくなった昨今、製造、販売している会社さんが激減しているのでなかなか入手しにくくなっています。
次に塗布の際は、厚みを均一に保つことがポイントです。厚すぎると乾燥ムラや剥離の原因となり、薄すぎると割れやすくなるため、10〜15mm程度が目安とされています。
最後に大切なのが養生と乾燥です。急激な乾燥を避けるため、直射日光や風を避けつつ、じっくりと自然乾燥させることが理想です。この工程を丁寧に行うことで、仕上がりの美しさと耐久性が大きく変わります。
2-3. プロに依頼する場合とDIYの比較
中塗り仕上げを行う際には、プロに依頼するか、DIYで挑戦するかという選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の目的やスキルに合わせて選ぶことが大切です。
プロに依頼する場合の最大のメリットは、「安心と完成度」です。下地処理から塗り、乾燥管理まで一貫して対応してもらえるため、美しく仕上がることがほぼ保証されていると言えます。また、予想外のトラブルや下地の劣化などにも迅速に対応できる点で、安全性・信頼性の面でも優位です。費用はやや高めになりますが、長期的な耐久性と満足感を得たい方には適しています。
一方、DIYの魅力はなんといってもコストを抑えられる点です。土や道具を揃えれば、比較的低予算で中塗り仕上げを体験できます。最近では、初心者向けのDIYキットや動画解説も充実しており、挑戦のハードルが下がっています。ただし、DIYには下地の確認や塗り厚の調整といった繊細な作業が求められるため、初めての場合は、目立たない場所で小さな面積から試すのが成功のコツです。失敗を恐れず、経験として楽しむ気持ちが大切です。
「プロの技で確実に仕上げたい」か「自分の手で壁を育てたい」か、目的によってベストな方法を選ぶことが、満足度の高い中塗り仕上げへの第一歩になります。
2-4. 長持ちさせるためのメンテナンスポイント
中塗り仕上げを美しく保ち、長く快適に使うためには、日常的なメンテナンスが欠かせません。自然素材である土は、呼吸する素材であると同時に、繊細な部分も持ち合わせています。
日々の手入れとしては、基本は「乾拭き」です。濡れた雑巾や強い摩擦は避け、柔らかい布で軽く埃を払う程度で十分です。もしくは手ぼうきなどで軽く埃をはらってやってください。水拭きは土の成分が染み出す原因となるため、控えましょう。
万が一、小さな剥がれや傷ができた場合も心配は不要です。中塗り仕上げは「補修がしやすい」点も魅力であり、同じ種類の土を使えば、部分的な修復でも自然に馴染ませることができます。
また、土壁の特性として吸放湿性があるため、湿度管理がとても重要です。極端な乾燥や過度な湿気は、ひび割れやカビの原因となることがあるため、適度な換気や加湿・除湿を心がけることが、長寿命化のポイントになります。
さらに、家具や物の接触にも注意が必要です。例えば、椅子や棚などが壁に直接当たると、表面が削れたり傷ついたりするリスクがあります。家具の脚にフェルトを貼る、壁と少し隙間を空けて配置するなど、簡単な対策で美観を守ることができます。
このように、中塗り仕上げは日常的に「育てていく壁」として向き合うのが理想です。多少の変化も「味」として楽しめるのが、中塗りならではの魅力です。
2-5. 失敗しない中塗り仕上げの色選び
中塗り仕上げでは、使用する土の色がそのまま仕上がりに影響するため、「色選び」はとても重要なポイントです。
一般的に使われるのは、グレー系・ベージュ系・赤土系など、落ち着きと温かみを感じられる自然な色味が中心です。どの色を選んでも、経年による色変化を楽しめるのが土壁ならではの魅力です。
部屋全体の雰囲気やインテリアの色とのバランスを意識すると、より一層洗練された空間になります。例えば、木材の多い空間には赤土やベージュがよく合い、モダンな空間にはグレーが映えます。
また、土壁の色は「乾燥前」と「乾燥後」で印象が大きく変わるため、施工前にサンプルを作って確認することを強くおすすめします。実際の光の下で、どのように見えるかを確かめておくと安心です。
照明の種類や光の入り方も、色味に大きな影響を与えるため、自然光が多く入る部屋には明るめの土、夜間がメインの空間には少し深みのある色を選ぶと、より心地よく感じられます。
中塗り仕上げならではの「素朴なグラデーション」や「ムラ感」も、色選びの楽しさの一部です。仕上げた後にじわじわと愛着が湧いてくる、そんな壁に育っていく色を選んでみてください。
3. 実例に学ぶ中塗り仕上げのリフォーム
3-1. 古民家リノベーションでの中塗り仕上げ活用例
中塗り仕上げは、古民家のリノベーションにおいて極めて相性の良い手法です。築数十年〜百年近い住宅では、当時のままの土壁が残っていることが多く、中塗り仕上げを用いることで、その歴史ある風合いを活かしつつ現代的な再生が可能となります。
たとえば、外観はできる限り手を加えず、内装の壁を中塗り仕上げで整えることで、「昔ながらの懐かしさ」と「現代の快適さ」を融合させた空間が完成させることも容易です。
玄関や土間など、訪れる人の第一印象を左右する場所に使われることも多く、「シンプルだけど深みのある雰囲気」が来客にも好印象との声が聞かれます。
また、経年による剥がれやひびも、「整いすぎていない美しさ」として受け入れられるデザイン手法が増えています。中塗りのラフな質感は、古民家にしか出せない「味」を引き立ててくれます。
文化的価値を残しながら機能性を高めるという点においても、中塗り仕上げは非常に理にかなった選択肢です。古民家の再生に、心地よさと懐かしさを加える中塗りの力は、これからも広く活用されていくでしょう。
3-2. 新築住宅でも映える中塗りの可能性
中塗り仕上げは「和」の空間に限らず、現代的な新築住宅にもよく映えます。自然素材が見直される中で、中塗りの持つラフな質感や陰影のある表情が、シンプルで洗練された空間演出に貢献しています。
たとえば、シンプルな構成の新築住宅でもに中塗り仕上げを取り入れることで、無機質になりがちな空間に「やさしさ」や「温もり」がプラスされます。
また淡いグレーやベージュの土を用いた中塗りで、コンクリートやアイアン素材とも自然に馴染み、和と洋の要素がバランスよく溶け合うスタイルが実現できます。照明との相性も抜群です。間接照明を当てることで、中塗りの凹凸が美しい陰影を生み出し、夜の表情も格別です。
時間や光によって変化する壁の表情は、空間に深みとリズムを与えてくれます。
このように、中塗り仕上げは「古い建物に使うもの」という固定概念を超えて、新築住宅やリノベーションにおける“新しい定番”になりつつあります。素材感とモダンデザインの融合を目指すなら、中塗り仕上げはまさに最適解です。
3-3. 住み心地の変化と住民の声
中塗り仕上げを取り入れた住まいでは、住み心地の変化を実感する声が数多く寄せられています。特に顕著なのが、「空気感のやさしさ」や「自然とのつながり」といった感覚的な変化です。
「部屋に入った瞬間に空気がやわらかい」「ほこりっぽさが減った気がする」といった声はよく聞かれ、土壁が持つ調湿効果や脱臭性が、体感レベルで違いを生んでいることが分かります。
また、結露やカビの発生が抑えられることで、アレルギー持ちの家族にも安心感があるという評価もあり、自然素材の恩恵を、暮らしの中で実感している人は少なくありません。
ビジュアル面でも「素朴で心が落ち着く」「壁を見ているとホッとする」など、空間そのものが癒しの場になったという声が印象的です。
さらに、子育て中の家庭からは「安心して子どもが触れる」「素材の安全性が嬉しい」といった意見も多く、健康や安心を重視する家庭にとって、中塗り仕上げは理想的な選択肢の一つと言えます。
このように、視覚・触覚・呼吸といった五感すべてに働きかける「住まい方の質の向上」が、中塗り仕上げの大きな魅力であることが、住民のリアルな声からもよく伝わってきます。
3-4. 予算・工期などでも満足を得やすい
中塗り仕上げのリフォームでは、費用対効果や工期に関する実際のデータからも、その優位性が見えてきます。
まず予算面では、上塗りの材料費と人件費が不要になるため、施工全体の費用が15〜25%ほど削減できると言われています。限られた予算でも、上質な空間づくりを実現できる手法として注目されています。
工期についても、上塗りの工程やその乾燥時間が省かれる分、全体の作業日数が数日短縮されるケースが多いです。これは住みながらの施工や、仮住まいが必要な場合などにも大きな利点となります。
また、当社のお客様では、塗り替えた「中塗り仕上げに満足している」とおっしゃってくださる人がほとんどです。
その理由として挙げられるのが、「自然な見た目」「空間の落ち着き」「思った以上の快適性」など、単なるコスト面のメリットを超えた、感覚的な満足度の高さです。
こうした実績からも、中塗り仕上げは費用・時間・仕上がりのバランスが非常に良く、結果として満足度の高いリフォーム手法です。
3-5. これからの土壁リフォームのトレンド予測
これからの住まいづくりにおいて、「自然素材」や「呼吸する壁」への関心はますます高まっていくと予想されます。その中で、中塗り仕上げは手軽さ・美しさ・機能性を兼ね備えた理想的な選択肢として注目を集めています。
近年のリノベーション市場では、古民家や築古物件の再生が進み、そこに中塗り仕上げが多く採用されています。文化や時間を引き継ぎながら、現代の暮らしに調和させることができるという点が評価されているのです。
さらに、最近では和風建材の再トレンド化が進み、漆喰や無垢材と並んで「土」への関心が再燃しています。伝統構法以外の現代住宅においても、中塗り仕上げが積極的に取り入れられるようになってきました。
特筆すべきは、石膏ボードの上にも中塗りを施工することが可能であるという点です。これにより、新築住宅や既存住宅のリフォームにも広く応用でき、より多様な設計・デザインとの融合が進んでいます。
今後は、中塗りの色味や質感を活かしたモダンデザインや、異素材との組み合わせによる新しい空間演出など、伝統と革新が交わる「次世代の土壁リフォーム」へと進化していくでしょう。