不燃木材の焼杉の板を外壁につかってみたい
こんにちは。輝建設のコハラです。今日は、古民家でよく使われている建材、焼杉についてちょっと調べ事したのでご報告!
不燃木材加工した焼杉板ある? 外壁リフォームの相談
当社の焼杉使用歴はまあまあ長いです。20年以上前ぐらい前の古民家再生から使っています。その頃からずっと使っている
古民家再生でポピュラーな定番建材「焼杉」!
え、まだ、そんなんつくっているん??と思われるかもしれませんがまだまだ作られていますし、最近では新築でも人気の建材になっています。最近では、コーナンさん(大阪本部のホームセンター)などでもお見かけすることもしばしば。いまも健在の建材といった感じでしょうか。
長い杉板を三角の煙突になるように束ねて中にオガグズをつめて焼くといった、昔ながらの方法で作っていらっしゃるところは少ない。というか、ほとんどありません。しかし、工場でガスバーナーや薬品などで加工される工業製品としての焼杉は結構流通しています。先ほど紹介したホームセンターで売られている類の焼杉はそのように作られています
というような豆知識を枕に今日は「燃えない焼杉を張りたい」というご相談があって、それにお答えしたお話をします。
ちなみに「焼杉」のこと、よくわからんという方はこちらを先にお読みくださいー!
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繁華街の古民家の悩み、、、タバコのポイ捨て対策を不燃材で
このご相談のお客さん宅は古都の繁華街にほど近い江戸時代の古民家。
最近のインバウンド需要で繁華街も賑わいを少し取り戻したのか酔客のタバコのポイ捨てがちょっと増加傾向にあるそうです。ということで、外壁の補修をということで焼杉貼り直したいけど燃える可能性があるのは、、、、どうしたらいいですかねと。
そこで、以前から知っていたファイヤーレターデント防燃水という材、紙、布など、あらゆる木質天然素材にしみ込ませるだけで、優れた防燃性能を発揮するという商品を販売している会社、アドコスミックさんに電話で相談。
不燃木となった焼杉板を見つけた
電話口で防燃水の施工販売店の谷一木材さんという会社さんが焼杉を不燃・難燃化した商品を在庫しているとのこと。焼杉の板に薬剤を加圧注入しているそうです。
ファイヤーレターデント防燃水、ホームページによると普通の木材は約270℃で引火しますが、この防燃水をしみ込ませると、1300℃でも引火しません。ちなみに主成分は主成分のホウ酸化合物です。
不燃・準不燃天然木のウェブサイト
https://www.adcosmic.com/products/natural/index.html
この防燃水を注入している不燃・準不燃天然木は国土交通大臣不燃材料と準不燃材料に認定されています。(注意:防燃水の噴霧施工だけでは、大臣認定はとれないそうです)
防燃水を板の表面に噴霧しているだけだと雨で濡れたときに薬剤が溶出して効果がなくなってしまうそうです。なので外部に使うものについては板内部に薬剤を留め置くために加圧注入する必要があるとのこと。
早速、谷一木材さんに問い合わせて商品の価格をお聞きしてすぐにお客様には見積もりを提出。施工手順などは通常の焼杉と変わりません。大きく変わるのは価格。噴霧処理に比べるとだいぶ値段が上がります。
不燃木に加工した焼杉板の価格
防燃水製造元アドコスミックさんのウェブサイト上にある価格表は希望小売価格があります。参考までに例えば
杉 無節
厚12.5mm
幅105mm
長さ4m
23000円/m2(税別)
なので 坪単価に計算し直すと
75900円/坪
当社で加工していない同寸法の杉材(上小節無地)ですと
15000円/坪
なので機能をあげるための費用が差額の約60000円/坪です。正確なエンドユーザーさん向けの価格はお付き合いされる工務店からお聞きになってください。
あと、雨などにぬれたときに表面で薬剤が化学反応を起こし白いマダラもようなものが起きる可能性が高いという話もお聞きしました。
金額的には大きな面積になるとなかなか手を出しにくいかもしれませんが、こういう焼杉があるということを知っているということでチョイスの幅がひろがるのでMore betterな解決に近づくと思います。今回のお客さんとはこれから予算を睨みながら相談を進めて行きたいと思います。
(2019年12月14日発行のメルマガ記事を再編集、加筆したものです)