古民家の冬の寒さの隙間対策。寒い部屋なら天井の隙間をテープなどで埋める!
こんにちは。輝建設のコハラです。今日は古民家の天井を気密工事してきた話です。
天井の気密工事の前にも床や壁などの気づいた隙間はできる限りにシリコンコーキングや発泡ウレタンなどで隙間をつめた様子をご紹介します。
目次
暖房すると隙間風で部屋が寒さが増す
寒いの家の対策というと、「断熱工事して〜!!(魂の叫び!)」と思いがちですが、まずはその前にやることがあるんです。それは家の隙間をなくす!
え、そんなの意味あんの!? 寒いんだから断熱工事してぬくぬくさせなきゃ!って思いがちですが、気密工事など全然なされていない古民家や、そこまでいかなくてもそこそこ築年数の古い家などは隙間なくす工事が有効です!
家に隙間があると、特に天井に隙間があると、寒い部屋を温めれば温めるほどチベタイ風がどこからともなくヒューっとやってきます。というとなんかよくわからなくなってしまいますが、
暖房器具などで温められた空気は部屋の中で高いところに上がっていきます。
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天井に隙間があればさらに上をめざして、そこから暖かい空気は逃げます。
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逃げるときに部屋の他の隙間から、チベタイ空気を呼び込みます!
こやつが暖房したら隙間風くるの正体です!
囲炉裏で暖かいのは体の正面だけで、背中は寒いというお話を聞いたことありますよね!(え、ない???)これは、炎の上昇気流で背中側からチベタイ空気が呼び込まれるからです。
というようなのが、隙間風で部屋が寒い理屈です。ということで天井の暖気が逃げられないようにしてを溜め込むことで、隙間風が入りにくいようにすることはとても重要なんです!
隙間を埋める材料をつかって気密性を高める
さて、今回の天井の気密工事の現場は2019年に古民家再生リノベーションさせていただいた物件です。夏頃までに天井の気密工事以外は終えていましたが、小屋裏の不用品の処分の判断にお時間がかかったので気密工事だけが冬本番の正月前の工事となりました。下のリンク先は完成写真のページです。ビフォーアフター形式でご覧いただけますので、本稿を読み進める前によろしければ、少しちらっとどうぞ!
こちらのお家の1Fの天井は
1階の天井板が2階の床板を兼ねるタイプの天井です。
隙間、どこにあるのって感じですか?? では、ちょっと2階にあがってアップの写真を。
2階というか小屋裏の物置スペースはこんな感じです。真ん中にムシロが敷かれていました。
天井板となっているのは15mm厚みの無垢材の杉板。キレイに製材されてはられていますが、板同士は突き付けられて並べられているのでどうしても経年変化で広いところでは1〜2mm程度の隙間があります。
剃ったり、割れたりしている部分だと1cm近くの隙間の場所もそこそこあります。数ミリぐらいの隙間なら、えー、それぐらいいんじゃない!と言われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、今回はダメなんです。(というか、基本ダメ!)
どうしてかっていいますと、、、、温めれば温めるほど暖気が逃げて隙間風が吹き込む理論を忘れずに!。
今回のお客さんからはとにかく冬、寒いんでなにか有効な対策をということでした。本当は家全体に断熱、気密の工事を行えばいいのですが、予算の都合もあり、そうもいかず、下記の内容の工事となっています。下記は今回の天井の気密工事以前に行った工事です。
床の断熱と気密
今回は大引、束をやり変えて、根太間に断熱材(フェノバボード40mm)をいれています。あ、断熱の前に気密とか言っているのに、断熱材いれてるじゃねーかー、こいつ!と思われる方、、、、、、お許しください。断熱材もいれれるところは入れましょう!
で、断熱材をいれるだけでなく、こういう取り合いのところの隙間を埋めて回ります。これはフローリング下地のベニヤ板と敷居の取り合いところにシリコンコーキングを打設しているところです。
柱の背割りやフローリング材の隙間など、詰めれそうなところはなんども詰めて回っています。写真は発泡ウレタンを吹いています。(この下にさっきのベニヤがあります)
今回は予算の関係上、壁の断熱工事ができなかったですが、壁と床の取り合いの隙間を詰める工事はバッチリ行っています。
袋入りグラスウールで気流止めをつくりました(黒く隙間のように見えているのは黒い気密テープです)。
壁の気密性アップ。隙間を埋める!
古民家の場合が土壁がやせたりで柱から離れて隙間が空いている箇所が結構見受けられます。本来なら左官屋さんにチリといわれる柱や梁などとの取り合いはまた壁土で埋めてもらうのが正攻法なのですが、限りある予算の都合でそこまで手がまわらないこともあります。
そんな場合は、上記のように隙間に発泡ウレタンを吹いて隙間を埋めることは低コストな対処です。特に、真壁という土壁を見せる仕上げで復旧せずに、大壁という柱・梁などを隠す仕上げをコスト上のことで洗濯した場合はこの発泡ウレタンも隠れます。
古民家のリフォームなどを工務店さんに頼まれて大壁にするから左官代節約できますよーという甘言めいた予算削減案を選択せざるを得ない場合でも、この発泡ウレタン吹きを忘れずにやってもらいましょう。土壁一枚あたり多分数百円もかからずにやってもらえます。
壁下地と床の取り合い部分の隙間も発泡ウレタンで隙間をつめます。写真では排水管の周りの隙間がつめられていませんが(後日施工しました)、この隙間も忘れずに隙間を詰めましょう!
とにかく、見える隙間という隙間な詰めて回る! 本当は断熱材つめたいところですが、予算の加減で、、、、、、今回は壁は隙間対策だけ。壁に見えるフェノバボードは、大きな木製建具から小さなアルミ樹脂複合サッシに入れ替えた場所のスペーサー代わりに充填されたものです。その断熱材との取り合いの発泡ウレタン吹きまくります!
天井裏への大きな隙間も発泡ウレタンを詰めておきます。
縁側は内窓(二重窓)をつけて隙間を少なくする。
古民家は縁側がひとつのみせばであるので、そこを構成する木製建具をどうするのかという問題をいつもいつも考えています。今回は暖房効率を考えて、縁側を外にするということで暖かくない場所=寒さとの緩衝地帯として考えて縁側と和室を遮る障子の外側に内窓(二重窓)を設置しました。
開け閉めする場所で、引き違いなので隙間がなくなるものではありません。外壁用の高性能のサッシにくらべると気密性能はおちますが、既存の木製建具やシングルガラスの出だしのアルミサッシに比べれば随分マシです。
こちらは2重窓を設置した様子のブログに詳細が記載されています。
北側の窓をペアガラスとアルミ樹脂複合サッシに入れ替え
今回、南側の縁側に面した窓は入れ替え図に内窓を取り付けて対応としました。しかし北側は縁側のような緩衝帯もないので、古い建具を全て撤去してアルミ樹脂複合サッシのペアガラス仕様のもの入れ替えています。
天井の隙間は気密テープで埋める!
これから本格的に寒くなる前に急いでおこないたかったのが、今回の天井の気密工事です。
実際にどんなことをしたのかというと
1F天井板兼2Fの床板の隙間に気密テープを貼ったり、
壁と床板の大きな隙間に発泡ウレタンを吹いて
1階と2階の隙間をできーーーるだけなくしてきました。
こんなかんたんなことが隙間風を減らしてくれます。冬に暖房した時、その暖気が1Fの天井あたりに溜まります。というか溜まって欲しいんですという願いを込めて施工しました。前述のようなすきまだらけだとたまらずに2階というか小屋裏に逃げて行ってしまいます。逃げるだけならいいのですが、天井付近逃げるときに逃げた暖気量だけ床板や窓などの隙間から外の冷気を引っ張り込んできます。
そんなのことを減らすために今回の気密工事の前段階で床板も全て板の隙間もシリコンコーキングを打設して埋めています。窓も最新のサッシに変えたりしていますが、木製建具と二重窓の箇所もあります。玄関は元々のアルミサッシのままと隙間が想定されるところはそこそこに残っていますが、予算とのバランスで全てを断熱気密工事は行うことは古民家の場合はほぼありません。
さて、気密工事の様子を見てみよう!
さて、もう一度、2階というか小屋裏です。
こんな感じで、天井板兼床板の取り合いに気密テープを貼っていきます。
外周部の土壁との取り合いは発泡ウレタンで隙間を詰めておきます。
取り合い全てに気密テープをはったところです。
今回は天井は、気密テープを貼り回した上にガイダン・エルシートという断熱シートを補助的に貼りました。
ガイダンエルシートの詳細はこちら→http://nissyou-gaidan.com/no2%20%20Lsheet%20data.pdf
さて、きになる今回の工事の結果ですが、お正月が過ぎてSMSがきて、、、、、、エアコンだけで過ごせたということでした!
よかった! まあ、今年は暖冬ということもありますがひとまず、以前のような温めて温めても温まらない状況は脱却できたということでした!
おまけ)竿縁天井の裏側は、、、、、、気密シートで隙間を埋める
今回の古民家再生工事では、1階の天井板が2階の床板を兼ねていたので、比較的簡単に天井の隙間を気密テープをつかって埋めることができました。しかし、上の写真のような竿縁天井の場合、どうすんねんと思われた方、、、、、、、きっといるはず!
ちなみに、上の写真は隙間対策済みの高槻市の古民家再生の竣工写真です。