注文住宅価格の予算配分に失敗しない!コストバランスを解説。断熱性能?おしゃれ?延べ床面積?
こんにちは。輝建設のコハラです。
今日は、どんな家がいいのかなーと新築、古民家再生、リフォーム、リノベーションを問わず、考えたのでちょっとそんな話です。
わたくし、コハラの場合、
安くて
日本の伝統的な意匠を盛り込んで
伝統的な建材で
冬寒くなく
夏も暑くなく
窓の開け閉めで
開放的になる
そんな家がいい!
が、だいたい最初の安くて、、、、という部分でこけてしまいます。高くてもいいから、、、、ということであれば成立するのかもしれませんが,、こちらお読みの方で、家づくり検討中の方々もまあ、ここでガクッと出鼻が挫かれるというか悩ましいところですよね。
そもそも家建てようかなー、リノベーションしようかなーっていうのは、家をつくることが人生の目的ではなく、その家で快適に暮らせるということで幸せ要素のひとつが満たされるというところなんですが、なにせ高額なのでいろいろと悩みますし、手段が目的化してしまッタリしてしまうこともあるわけです。
ただ、どんなかたちでも何かしらお金という対価で実現していかないといけないので、いろいろしたいことと予算の間で行ったり来たりすることになります。幸せに暮らすのにはSome moenyが必要(と、チャップリンも映画で言っていましたし)ですので、全額家づくりに突っ込むということもできません。。ということで、家づくりにばかりお金をかけていられないなかで、どう理想の家にちかづけるのかということを説明します。
目次
注文住宅の費用を三要素にわける
新築や古民家再生のような大規模改修、外構工事などにかぎらず、おおよそ、工事というものは
デザイン
性能
面積
という大きな三大要素にそろぞれコストが投入されてかけ合わさります。バクっと数式化すると下のようなイメージ。
工事金額=(デザイン*コスト)+(性能*コスト)+(面積*コスト)
三要素を住宅工事に言い換えると下記のようになります。
デザイン=内外装などのデザインとその設計料
性能=断熱や構造、耐久性など
面積=延べ床面積など様々な面積
今日のブログでは、それぞれの部分に極端にコストを投入した場合、どういうことになるかを何パターンか考えてみました。
1)三要素を平均的にいくパターン
家、どうしようかなーと思ったときに、勉強すること、考えることが多すぎてもうよくわかりません! というのが本音だと思います。しかし、もう家をそろそろどうにかしないといけないので決断しなくちゃ!というときに極端でなく平均的にという戦法をとりがちです。
「そこそこおしゃれで、そこそこ性能もよく、そこそこ広い」
大きな得をしなくても、決して損はしたくない。とりあえず、よくわからないことも多いから、平均値というか標準を押えておきつつ、コスパのいい家づくりをしたい! というかんじでしょうか。が、どんな家なのかなんかピンとこないですよね。きっとフォーカスしているのがコスパ。金銭的に損したくない!というところなんだと思います。
ということは、注文住宅でなく、納得のいく建て売りを探すという方法もあるのでは?
コハラ
特に大きなこだわりもなく、とにかく一般的な間取りと性能と価格でという場合、なかなか見つかりませんが、性能にもデザインにも拘っている建て売り住宅を打っていらっしゃ業者さんいらっしゃいます。でも、それが住もうと思っている地域にいるかどうかは運次第。あと、見つけるのも難しい。ただ、それが自分好みかというと、、、、。さらに見つけるのが難しい。ただし、もしも見つかれば、すごくコストパフォーマンスいいかと思います。
見つからない場合は、そこそこ性能と間取りにこだわっていそうだなと思える業者さんれば、足りないと思う部分をオプションでしてもらえるかどうか相談してみましょう! しかし、建売り屋さんの住宅が安いのはレギュラー仕様で固めているところが大きく寄与しています。イレギュラーになると割高になります。普段使い慣れていないので取ってつけた感ある仕上がりになりがちです。特に断熱など見えない部分については慣れていない業者さんと、、、、、アレですよね。
となると、やっぱ、注文住宅かなー。でも、予算がなー、、、、。というところで思考がループ沼に。
ということで、そんな場合のアドバイス!
大きさを小さくして注文住宅に向かいましょう!
コハラ
ここで、小さいということをお話ししましたが、要はコストに関わるこだわりの部分に濃淡をつけるのが鍵です。
どれだけ小さくできるかはあなたの暮らし方改革と(まあ、多くは断捨離ですが)、設計者の腕の見せ所です!設計事務所さんや自社設計の工務店さんに相談をー!
2)おしゃれなデザインを優先した注文住宅の場合
やっぱり、せっかくの家づくりなんだから、見た目が気に入るデザインでないと満足できない!で、寒さ暑さなど我慢できるところは我慢と。暖房機やクーラーとかでなんとかなるでしょということで、ネットで見つけた超おしゃれな感じのデザインばりばりの設計事務所兼工務店さんと打ち合わせを重ねて、、、、、。見た目中心のプランがほぼ終わり、、、、。
たまたまネットで検索していると見つけた、家の不満などをみていると、
- 老後の生活動線
- 庭の手入れ
- メンテナンスにお金がかかる
- 暑い寒い
などなど。例えば、住んでからの不満「暑い、寒い」という話! いまの全体計画、デザイン超気に入ってるんだけど、断熱って後から工事できないしなー。ある程度は暑い寒いの問題起きないようにしておきたいなー。
で、もう少しググってみると、、、、、、断熱ほぼしていない家の月々の光熱費が、、、、、、マアマアえぐい。断熱性能低いのでさむーいおうちの場合、空気室悪くなるからとかでオイルヒーターや、プロパンガスの床暖房とかつかうとあっという間に暖房費が冬は3万円、4万円。。。。。。。ちなみに、今は鉄筋コンクリートのマンションの上下隣に他の家族があるので、まあまあエアコンで寒くない程度に暮らせているので、冬でも電気代が10000円台ぐらいなのに。
や、やっぱり、もう少し断熱性能にも予算かけるかー。でも、見た目が気にいっているのになー。予算がなー、、、、。で、また思考ループ沼に、、、、、。
ちなみに、最近は意匠設計で有名な建築家さんも断熱に取り組み始めている時代です! おしゃれなデザイン住宅だからといって、暑い寒いを我慢しなければいけないという時代ではありません。
建築家さんの設計で暖かい家を建てたいということでうちに来られて相談者さんから聞いた話です。
その方は、超々有名なとんがったデザイン系の建築家さんで、家を建てることを検討していた時期があって、OB施主宅の家を見せてもらいにいったことがあるそうです。が、そこの奥さんにこっそり「冬寒すぎていれません」と耳打ちされたらしいです。で、そこから断熱性能にもこだわるというのも、家づくりの条件に加わったそうです。
(残念ながらそのお客さんは、結果的には当社では予算が合わずでしたが、いいおうちを建てられるだろうなと思います)
ちなみに、おしゃれなデザインを実現するのに費用をかけた、できあがってからそこに住む間、何回、夏と冬がくるのか考えてみて、、、、、、ください。ということで、見た目重視な方も断熱にも精通している設計事務所さんや自社設計工務店に相談を! あ、ちなみに性能というのは断熱だけではありません。構造や耐久性、動線などいろいろ含まれます。
家は彫刻ではないんです。
住まうための道具ですから、予算に限りがあって、見た目を重視しつつ、性能も間取りもと、相談すれば、当然、家、小さくする方向の話になります。(また、家を小さくする話になってすみません)小さくすれば、見た目につかう予算が捻出もできる可能性が高まります。
で、意匠も性能も考えてバランス取れそうな設計事務所さんや自社設計の工務店さんに相談をー!
あ、すみません。性能よりも見た目という家の建て方をしたいということを否定しているわけではありませんので、気を悪くされた方いらっしゃったらすみません(汗)。
3)延べ床面積を最優先! 平均的な間取りにもこだわる
家族がたくさんいるんで、見た目とか性能は我慢。家族多いし、ものも多いからそうするしかないよねー(と、ぢっと手を見る)。
しかし、それぞれ個室が8畳ずつとかあって、昭和の下宿のように部屋が廊下沿いに並ぶようなものをイメージしていませんか。個室を大きさで工事費用がどれぐらい増減するのか、ちょっと試算してみましょう!
条件1)70万円/坪という工事単価の注文住宅を考えているとします。
条件2)その家に子供3人います。
注意)ここの坪単価は建物全体の費用を坪数で割ったものなので、子供室の坪単価を正確には表していませんので悪しからず。
★それぞれに6畳(=3坪)の個室をつくってあげようと考えている場合
3坪*3子供=9坪
9坪*70万円=420万円(しかも税別)
★それぞれに3畳(=1.5坪)の個室をつくってあげようと考えている場合
1.5坪*3子供=4.5坪
4.5坪*70万円=210万円(税別)
子供室の大きさを半分にすることで210万円の価格差がでました。
この金額があれば、しっかりと断熱工事可能です。年間の光熱費も随分変わります。月々の光熱費が10000円変われば、一年で12万円。15年たてば180万円になります。メンテナンス費用の十分足しになります! そもそもの家が小さくなっているので、特に外壁や屋根などのメンテナンスコストも下がります。
いやいや、捨てられない収集品のために延べ床面積が広くないといけないんです。という場合
いやいや、どうしても収集品や捨てれない本なんか置いたりなんだりで、家はおおきくないといけないんです。
Aさん
濡れなくて済むようなものは家でなく、倉庫でもいいのでは?
コハラ
例えば坪70万円として、2畳の物置作ったら140万円の収納です。ホームセンターなどで販売されている数万円で買えることもあります。せっかくの注文住宅に、外物物置ですか、、、、、という声がありそうですが、あくまでもたとえです。じゃあ、注文住宅でどんなもの置くスペースがあるのかというと、
大工さんに作ってもらう外物置であったり、断熱材の入っていない簡易な下屋をつくってもらうなどという方法があるかと思います。
とりあえず、物置で話をしましたが、世間一般で言われる間取りでなく、(新築30坪は最低、トイレは二つ、子供室は6畳、、、etc,etc)セオリー中の生活要素を抽出して、一つの場所にいろいろな役割をもたせたりなどで家を小さくすることは可能です。例えば、リビングに階段を持ってくるというのもリビングに廊下的な役割を持たせるということで、廊下をつくるコストを下げることになります。
間取りなどにかかわってくるので、ホームページなどをよくみて設計事務所さんや自社設計の工務店さんに相談してみましょう! きっと、これまでに同じような相談にたくさんお応えしているのでいいアドバイスをもらえるはずです!
4)住宅性能を最優先! デザインよりも延べ床面積よりも大事なんです派
ここまでは、暑い寒いを中心に性能とくくっていましたが、家の性能という点であれこれしたいというご相談があります。例えば、柱の太さは150mm角でいきたい
最近ではやっぱり断熱や気密にかかわるご相談が多いです。家全体の性能を表す数値だけでなく、窓、断熱材の性能などを調べて、部材指定される方も増えています。ネットで家づくりの情報を調べているとどうしても性能の数値での検索になりがちです。 数値での検索して比較がしやすいからどうしてもそうなってしまうと思います。
ということで、各部材の性能などを調べているうちに、どうしても各部材の最高スペック的なものを選んでしまって、組み合わせてみるとすごい性能になっているときがあります。性能重視の方は、わりと家は小さくても構いませんという方がいらっしゃるのですが、性能が良すぎて家全体の予算バランスがおかしくなります。
車でたとえると、こんな車あるかどうか知りませんが、軽自動車なんで総額安めなイメージですが、
- 燃費を考えてハイブリットエンジン
- 無段階変速なんだけど、一応スポーツモードもある
- エアサス
- 乗り心地を考えて、オプションの人体工学に基づいたシート
- 自動運転や自動ブレーキなどの安全装置は全てついて
- 足元重量を考えてアルミホイール
- 制御性能を考えるとやっぱり2シーターのスポーツカー、
で総額が大型車の中級グレード並みになっていて予算超えています。が、高い買い物だし、長く乗りたいんでやっぱり性能いい方が、、、、。でも過剰ですよね。が、家族6人なんですけど。。。。。。この人が選ぶべき車は、6人乗りの車で、そこそこのオプションの車ではないでしょうか。
性能面を気にしすぎて、家づくりの部材を選ぶとこういう呪縛から解き放たれるまで、なかなか家づくりが進まないと思います。
快適な家、かっこいい家、気持ちのよい家などを思い描いてても、このような抽象的なワードだとなかなか自分の思い描いている家について、これだ!という情報を見つけるのはすごく難しいです。実際、自分のような住宅産業に関わる人間でも、どのような言葉で表したらいいのかわからない時があります。
見た目のところで話をした、当社に来られたご相談者さんですが、建築家さん設計で意匠もよく、かつ断熱などの性能も落とさないという方向で家づくりを検討されていましたが、当社に来られる前もお話しを聞くと設計事務所さんや工務店さんを回られていました。設計契約までされた建築家さんもいらっしゃったようですが、性能面で満足いかなさそうだったので契約解除されたこともあったそうです。当社では、とある建築家さん設計で見た目、性能は満足されたご提案できたのですが、予算があわないということで解約されました。
予算と理想の建物の工事金額が合わないなか、納得のいかないまま家を建ててしまうことは不幸なことです。しかし、予算の縛りの中で、いろんなこだわりがありすぎていつまでたっても快適な家で住めないというのも不幸なことではないでしょうか。 これは性能にしばられるだけでなく、大きさや、見た目へのこだわりに通底することだと思います。
やっぱり、住まいは性能だけでもないのです。そういうバランスをとろうとしている設計事務所さんや自社設計の工務店さん、いてます。全体予算のなかで性能への配分が過剰にならないような提案してもらいましょう。
コハラ
あきらめずに、情報収集しながらよい家づくりに邁進されてください!私もお役に立てるようなお話を日々綴っていくよう邁進しますー!
おまけ)建築面積を抑えて工事金額をダウン。それでも、というとき、予算アップの考え方
今回のブログのまとめは
(1)〜(4)で共通するのは予算足りないときは、、、、、家を小さくです!(リフォームなどの場合は改修範囲を狭く!)です。
それから、極端なバランス配分を是正する!これです!
あ、裏技ですが、あるにはあります。。。。。。。それは予算を増やすです! 結構、家新しくなったりするタイミングで車買い替えたりされる方もいらっしゃいます。車を一台(軽自動車なら100万円、。普通自動車なら20万円〜400万円以上しますよね)。人生のなかで一度、買い替えを見送るだけでいろんなことができる予算が捻出されます!
★100万円=付加断熱可能、または外物置作成。またはメーカー製キッチンを造作キッチンに変更。etc…..
★200万円=雑木林のような庭を作ることもできます。または将来の外壁塗装の資金にも。
★300万円=家と引っ付いた屋根付きの駐車場をつくることができます(車も傷みにくくなりますよ)。
予算が決まっているでしょうから、業者さんを探しに奔走したり、相見積もりしたりしても、大きさや仕様がきまっていれば、半額になったりするような相場からかけ離れた金額を超えた減額は期待できないと思います。
ものを減らすことと、練りに練った間取りで家を小さくすることで予算にあったこだわりの家を実現するのが一番おすすめです。
で、早く快適な家をつくって、残りの人生を快適な家で暮らすというのがいいかと思います。
コハラ